2024.06.04
売上関係において、第一のポイントは「いつの時点で売上計上するか」です。基本は“商品や製品を相手方に引き渡した日”です。決して現金等の入金があった日ではありませんのでご注意を。
比較的、引き渡した日が分かりやすい業種です。納品書や請求書をきちんと保管し、税務調査の際に適切に証明できるように資料を整えておきましょう。
出荷基準(製品を出荷した日に売上計上する基準)と検収基準(納品先が検収し、製品に問題なしとして受け入れた日とする基準)のいずれを採用するのか確認しましょう。多くは検収基準と思われますが。注意点は検収基準で決算までに工場を出荷しても検収までにタイムラグがある場合、期末在庫に計上する必要があります。在庫か売上かいずれかへの計上は必要です。宙に浮いた状態でいずれにも計上されていないという状態は避ける必要があります。
ほとんどが工事の完成をもって売上計上していると思いますが、何をもって完成とするか明確にしておきましょう。鍵の引き渡しや引渡証への署名等があります。ポイントは決算で未完成工事であるとしても、翌期に当該工事の作業を行った実績(材料納入や外注工事など)がなければ実質的に完成とみられることがありますので注意が必要です。
売上以外でも企業によって様々な収入があります。これらについても計上漏れとならないように注意が必要です。具体的には
期末までの売上や手数料を計上する必要があります。この場合、例えば20日締めで3万円の入金がある場合、前月21日から月末までの1/3として1万円を計上する必要があります。
製造業の場合、金属くずを期末まで計上する必要があります。例えば前回の回収が2か月前だとしたら、決算までの2か月間での金属くずの発生額を雑収入または在庫で計上する必要があります。
業種によって様々な雑収入があります。売上割り戻しであるリベートなど継続的な収入であり期末までに未計上の期間がある場合や支給決定があったが未収となっている助成金など、収入計上に落ちがないように注意が必要です。できれば、決算翌期の通帳などを見て入金欄から計上すべき収入があるか確認すれば確実です。
本稿の最初に述べましたが、税務調査での最重点ポイントは「計上すべき収入に漏れはないか!!」です。企業によって毎期の取引形態が変わることはほぼありません。自社で注意すべき点は何か、一回担当職員に確認していただければと思います。
※メルマガ・事務所通信「かけはし」2024年6月号より抜粋